自動車保険とは、自動車の利用に伴って発生し得る損害を補償する制度です。
交通事故においては、被害者の救済と損害賠償による加害者への金銭的圧迫軽減の二つが大きな比重を占めます。
自動車保険は大きく分けて、自賠責保険と任意保険の2つに分類することができます。
自賠責保険は法律によって公道を走る全ての自動車 、バイク(自動二輪車、原動機付自転車)に加入が義務づけられており、強制保険とも呼ばれています。
人身事故の被害者救済の為に創設された対人賠償保険制度ですので、物損事故には対応していません。
例えば、加害運転者自身の怪我や被害車両の修理費等は補償外です。
自賠責保険には賠償金の支払限度額があり、一人当たり傷害事故で120万円、死亡事故で3000万円と制定されています。
(後遺障害については等級毎に限度額が異なります。第10級:461万円、第12級:224万円、第14級:75万円)
損害賠償額が確定する前に、経済的余裕がなく当座の出費(治療費や休業補償、死亡時の葬儀費等)に困難な場合、自賠責保険会社から仮渡金を請求することができます。
請求には条件があり、死亡または、11日以上の治療を必要とする傷害を負った場合にのみ限られ、怪我の程度によって支払われる金額が一律に決まっています。
損害賠償額が確定時に、支払われた仮渡金は総損害額から控除されます。
もし確定した損害額より仮渡金の方が高額だった場合は保険会社に差額分を返還しなければなりません。
自賠責保険だけでは賄いきれないケースを補うため、万一に備え自由意思で加入するのが任意保険です。
物損・対物・自損事故や、被害者の損害が自賠責保険の支払限度額を超過した場合の賠償額補償等が挙げられます。
自賠責保険に加入せず、公道を運行した場合は刑事罰(1年以下の懲役または、50万円以下の罰金)と行政罰(無保険運行の違反点数は6点・即時免許停止処分)の二つが課せられます。
また任意保険に加入して自賠責保険に未加入の場合、仮に死亡事故を起こし損害賠償額5000万円を請求されたとします。
自賠責保険の支払限度額(死亡事故時:3000万円)を超えた部分の2000万円は任意保険が適用されますが、
残りの本来自賠責保険で支払われる筈の3000万円は全額自己負担となります。
よく誤解されやすいですが任意保険によって支払われる保険金は、自賠責保険の限度額を超えた部分のみとなります。
加害者が任意保険に加入していない為、まずは自賠責保険へ保険金請求をしましょう。請求手続きは2通りあります。
・加害者請求 加害者が自身の加入する自賠責保険会社に請求する方法です。賠償責任は加害者にあるので、こちらの方が一般的です。
・被害者請求 加害者が過失を認めず請求手続きを行わなかったり払い渋りにあった場合に、被害者から加害者の加入する自賠責保険会社に請求する方法です。
被害者ご自身若しくは、被害者のご家族が加入している任意保険の補償を受けることができる場合があります。
・無保険車傷害保険
無保険(自動車保険に未加入・対人賠償保険に加入済みだが補償内容が不十分・ひき逃げなど加害者が特定不可能)の車等との事故により、死亡または、後遺障害を被むった場合に支払われる保険です。
この保険はほとんどの任意保険に自動付帯されています。
・人身傷害保険
交通事故によって、怪我や後遺症害を負ったり・死亡した場合に支払われる保険です。
人身傷害保険の特徴として、被害者の過失に関わらず契約した保険金額の範囲内で損害の全額(治療費、休業補償、
慰謝料等)が補償されます。
また、加害者との示談成立前でも保険金が支払われます。
保険の補償について気になる方は一度、ご自身が加入されている保険会社に確認をしてみる事をお勧め致します。
加入が義務付けられている自賠責保険ですが、まれに未加入の状態で事故を起こす方が居ます。
その場合、最低限の補償も受けられないのでは?と危惧される方もいると思いますが、被害者の救済策として
政府保障事業制度があります。
これは、国(国土交通省)が加害者にかわって被害者が受けた損害をてん補する
制度です。
加害者の特定ができないひき逃げ事件や、盗難車での事故もこの制度を受けられます。
支払限度額は自賠責保険と同じですが、以下の点が主に自賠責保険とは異なります。
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